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世界の街から

イスラマバード/パキスタン

禁酒国の由緒ある国産ビール

山田 忠久/丸紅カラチ支店 イスラマバード出張所

 パキスタンの首都イスラマバード。最近、新聞や報道でこの名前を耳にする方は多いのではないでしょうか?

 緯度は福岡とほぼ同じですが、大陸内部にあるため気候は過酷です。
 夏は時に50度を超え、雨期はモンスーンで高温多湿、冬は氷点下を下回るという寒暖が激しい気候。また、イスラマバードは計画的に建設された首都であることから、道路は碁盤目状に整備され、官公庁や外国人が住む高級住宅が立ち並び、山や豊かな緑に囲まれ、パキスタンの他の都市とはかなり異なります。

 ただ街自体が非常に小さく、車で少し走ると、ロバ、牛、ヤギがそこら辺を歩き回り、マーケットはシャワール・カミーズ(通称シャルカミという民族衣装)を着た男性達で活気にあふれ、ここがパキスタンであることを実感します。

 パキスタンは言わずと知れたイスラム教の国。もちろんお酒や豚はご法度ですが、外国人や非ムスリムのパキスタン人は「Liquor Permit」を取得の上、お酒を買うことができます(市内にバーや酒屋はなく、ホテルなどでこっそり売られています)。 

 また、禁酒国でありながら、マリービールという国産ビールがあります。(マリーとは、イスラマバードの北東にある避暑地の地名です。) もともとは1860 年に英国人が、パキスタンに駐屯していた英国軍に提供するために製造開始したそうで、当時アジアで最初の近代醸造所だったようです。 

 日本では世界中のビールを取り揃えたレストランやバーもありますが、さすがにこのマリービールは置いていないのではないでしょうか。気になる味は、若干クセもあって賛否両論ありますが、夏の暑い日に飲むその美味さは格別です。

 最後に、観光名所のご紹介。かつてはインダス文明が栄え、現在も世界遺産が6 つ、世界に14ある8000m以上の高峰のうち5つを有するパキスタンですが、どうしてもテロや危険といったイメージが先行し、外国人旅行者は本当に少ないのが実状です。そんな中で、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」のモデルになったと言われるパキスタン北部の小さな町「フンザ」は、本当に景色がすばらしく、イスラマバードからも車で2日を要しますが、訪れる価値がある秘境です。

イスラマバードのメーンストリート。高層ビルはこの通り沿いにしかない イスラマバードのメーンストリート。高層ビルはこの通り沿いにしかない マリービールはオリジナル(左:約170円/缶)とクラシック(右:約200円/缶)の2種類 マリービールはオリジナル(左:約170円/缶)とクラシック(右:約200円/缶)の2種類


丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.49(2009年1月発行)より

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