ウランバートル/モンゴル
のんびりと、勝気なモンゴルの人々
藤本 和久/丸紅ウランバートル出張所
日本の約4倍の国土を有するモンゴル。人口わずか250万。家畜は3千万頭。ウランバートルは海抜1,351メートルに位置し、気温は最高35度、最低はマイナス30−35度まで下がる、世界一寒い首都だ。
モンゴルと言えば広大な草原、満天の星空、遊牧民、馬、ゲル(移動式伝統住居)を思い浮かべるだろうが、100万都市ウランバートルはちょっと違う。戦後シベリアに抑留された日本人捕虜によって建てられたオペラ劇場、政府庁舎などは今も残るが、建設ラッシュでカフェやレストランが知らない間にどんどんでき、若者が携帯電話を片手にかっ歩する都市である。中古車の輸入ラッシュで朝夕は大渋滞し、社会主義の計画都市に収まりきれない人々が市の外郭にゲルを建て、使用する石炭で冬場は大気汚染が激しい。
現在ウランバートルには200人超の日本人が住んでいる。普段行動する2キロ四方ぐらいの範囲に、日本食レストランが10軒ほどあるし、ケーキ店や居酒屋を営む日本人もいる。中華、韓国、フランスなど各国レストラン(本格的な味を期待してはいけない)のほか、バーやディスコもたくさんある。
モンゴル人は、顔はアジアだがマナーはヨーロッパ式。あいさつはキス、食事はナイフとフォーク、寝るのはベッド、レディーファースト。両親を敬い、子供や老人へのいたわりを持ち、おおらかで親日的である。現在30余りの大学で、約9千人の学生が日本語を勉強していると言われている。
厳しい気候の国は、歴史的にも激しい、誇り高い気性の民族を育ててきた。勝気で見えっ張り。一方で、広大な土地で悠々と暮らしてきたせいか、モンゴル人には時間の観念がなく、すべてアバウトだが、これで腹を立てるようでは彼らと付き合えない。ただし車の運転となると話は違い、われ先にと鼻先を突っ込んでくる。これは時間の問題ではなく、彼らの勝気な気性のせいなのだろう。
35歳以下の若者が人口の7割を占める、若くパワフルで不思議な活気のある国が、今日も変貌を遂げていく。
市の中心、平和大通りの街並み
大草原でのバーベキューキャンプ
モンゴルの活気ある若者たち
市内各所で発生する大渋滞
丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.36(2006年11月発行)より



