上海
新しくて懐かしい街、上海
高橋 順之 /丸紅 中国会社
2010年にGDP世界第2位となった中国において、上海は今や中国のみならず世界有数の経済都市に発展しました。昨年の常住人口は2300万人を超え、街は人と車と熱気にあふれています。万博前に猛スピードで開発が進みましたが、今も建設中の大型ビル、商業施設が所々に見られ、発展し続ける上海を体感することができます。日本未上陸の欧米系大手小売、アパレルなどの店舗も多く、この街のマーケットとしての魅力を物語っています
この街の魅力は、もちろん発展だけではありません。オールド上海という言葉は有名ですが、新旧さまざまな顔がその魅力に深みを与えています。上海の新しい顔といえば、浦東の近未来的摩天楼がおなじみです。そして黄浦江という川を挟んで対岸には、19世紀後半の東アジアの貿易・金融の要として隆盛を極めた歴史を刻む、外灘とよばれる美しい建築群が連なっています。そのすぐ南には明代に造られた古式庭園の豫園があります。東京でいうならば浅草のごとく、下町情緒あふれる上海随一の観光スポットとなっています。上海の新旧の文化と発展の歴史が、この小さなエリアに共存しており、時代感覚を麻痺させられます。
こういった歴史に加え、上海という街の最大の魅力は、古いものと新しいものが融合し、さらに新たな魅力を湛えて生まれ変わっている点といえます。銀座に例えられる目抜き通りの一本裏路地にも、1929年に建てられたレンガ造りの住宅街が広がっています。この住宅街は文化財に指定され、ギャラリーやカフェなどとして再利用されている一方、今も人々の昔ながらの暮らしが息づいています。垢ぬけたギャラリーの傍ら、寝間着姿で散歩する住人や、上海麻雀に興じる人たち。古いものを壊して新しいものを作るだけではない懐の深さ、そこにこの街の底力を感じます。
おわりに、季節の良い時期に来訪される際には、ぜひ夜の黄浦江遊覧船をお勧めしたいと思います。船上で夜風にあたりながら、煌めく幻想的な夜景を堪能すれば、きっと上海に魅了されることでしょう。
浦東の近未来的摩天楼
外灘の美しい建築群
旧正月の豫園
豫園の灯篭まつり
丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.71 (2012年9月発行) より



