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世界の街から

香港

最近の香港

水野 真澄/M&C South China Ltd.

 香港の中国返還から9年半が経過しました。現在の香港は、一国二制度の下、社会主義国家である中国の中で資本主義体制が維持されている、特殊な環境下にあります。香港は元々イギリスの植民地でしたので、東洋と西洋が混然一体となった雰囲気と、独特の活気を合わせ持っていました。その中で人々は、異なる文化や風習を受け入れて、東洋と西洋を使い分けながらたくましく生きてきましたし、返還後もその状況に変わりはありません。

 例えば、オフィス街であるセントラル(中環)には、夜には西洋人であふれ返る一画(蘭桂坊)と、中華風のめん・かゆ屋が並ぶ区画が詰め込まれています。また、どこのレストラン・バーでも、東洋人と西洋人が違和感なく酒を酌み交わしている風景が、香港では一般的です。

 そんな香港の柔軟性は、毎年恒例の行事にも見ることができます。例えばクリスマスのイルミネーションは、ビルの前面を使った大掛かりな作品ですが、クリスマスが過ぎれば、これが旧正月のイルミネーションに早変わりします。中には、先日までサンタクロースだったおじいさんが、帽子をずきんに変え、プレゼント袋には「恭喜発財」(新年のあいさつ。直訳すると 「もうかりますように」という感じ) と書き込まれ、福の神に変身している場合もあります。

 異文化を受け入れていく姿勢は、日本の食文化にも及んでいます。例えば、私が好んで食べる昼食は、テークアウトの「出前一丁」。香港では高級即席めんの出前一丁に卵やワンタンを入れたものが、どの弁当屋でも人気の一品になっています。また、味千ラーメン、吉野家の牛井、回転寿司も大人気。特に回転寿司は、昼食・夕食時にはいつも長蛇の列ができます。色々な文化を受け入れる柔軟性に、日本人の食生活も助けられているという感じでしょうか。

 今は社会主義と資本主義のはぎまにある香港ですが、この先も異なる文化・経済を融合させながら成長していくことでしょう。

香港−の高層ビル・lFC ビル(左)とエクスチェンジ・スクエア 香港−の高層ビル・lFC ビル(左)とエクスチェンジ・スクエア 香港島−の繁華街(銅躍湾)にそびえるタイムズスクエア 香港島−の繁華街(銅躍湾)にそびえるタイムズスクエア クリスマスのイルミネーション クリスマスのイルミネーション 高層ビルのはぎま 高層ビルのはぎま


丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.37(2007年1月発行)より

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