ワルシャワ/ポーランド
変わり行く町にショパンが流れる
芦谷 康弘/丸紅欧州会社ワルシャワ出張所
ポーランドは2004年5月、チェコ、スロバキア、ハンガリーと共にEUに加盟しました。ポーランド人の心に暗い影を落としていた「侵略が繰り返された歴史」に、完全に終止符を打つ出来事でした。
加盟は吉と出ました。EU向けに安価で品質の良い農畜産物の輸出が急増して国内での牛肉の流通が激減し、一時は駐在員に人気のあった牛タンが食べられなくなったほどです。また、EU市場向けの製造拠点として自動車・家電産業を中心とした外国投資が相次いでおり、最近もトヨタグループ、シャープ、東芝などの日系大手メーカーの工場進出や設備増強が発表されるなど、今後ますます欧州域内での注目度が高まることが予測されます。
首都ワルシャワは、第二次世界大戦で破壊されるまでは「北のパリ」と呼ばれ繁栄していました。古い街並みが復元された美しい旧市街広場のテラスでビールを飲みながらソーセージをつまむと、中世にタイムスリップしたような気持ちになります。隣に座ったポーランド美女との会話が弾めば言うことはありません。
このワルシャワで5年に1度、ショパン国際ピアノコンクールが開催されます。16歳から28歳までの実力のある若手ピアニストたちの登竜門であり、上位入賞者の多くが世界に羽ばたいている、非常にレベルの高い大会です。昨年のコンクールでは日本からの大応援団の見守る中、日本人2人が入賞を果たし、16歳の若さで挑戦した盲目の日本人ピアニストも予選を突破して大喝さいを得るなど、印象的な大会でした。またショパンの生家やワジエンキ公園のショパン像の広場では夏の間、毎週日曜日にピアノコンサートが開催され、音楽好きのワルシャワ市民に憩いのひとときを提供しています。
おいしいビールと肉料理、そして美しい音楽という伝統を守りながらも、経済成長を加速しているポーランド。欧州へお越しの際はぜひ足を伸ばして、3年前と既に違う顔を持ち日々変わり続ける今のワルシャワをお確かめください。
イントラコビル。
36階にワルシャワ出張所が入居
ワジエンキ公園のショパン像の広場
世界遺産に登録されている旧市街
スターリンの贈り物「文化科学宮殿」
丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.36(2006年11月発行)より



