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アブダビ/アラブ首長国連邦

ドバイに追い付け追い越せ

林原道雄/Asia Gulf Power Service Co., Ltd.

 皆さん、アブダビ首長国をご存知でしょうか。丸紅は同国の水電力庁から、2002年にシュワイハット送水プロジェクトを、04年にタウィーラ発電・造水事業を受注し、最近ではアブダビ総合商社構想推進のため同国政府と合弁会社を設立するなど、ビジネスの話題には事欠きません。しかし、アラブ首長国連邦(UAE)を構成する7つの首長国の中で、ドバイは知っていてもアブダビを知らない方は多いのではないでしょうか。
 
 実は05年現在、UAEはサウジアラビアに次いで日本の原油輸入量第2位(24.5%)を占めており、このうち99%がアブダビで産出されています。つまり、日本に輸入される原油の約4分の1はアブダビ産なのです(大相撲のアラブ首長国連邦友好杯の副賞は、ガソリン1年分です)。在留邦人約700人の約半分が石油関係者で占められ、日本人会の会長には商社ではなく石油会社のトップが代々就任していますし、週末のゴルフ場も石油会社の方々が幅を利かせています。
 
 外貨収入の大部分を石油から得ているアブダビですが、最近では、石油依存経済からの脱却を目指し、大型の不動産・建設プロジェクトへの投資が行われています。現在、同国が計画している最大の開発案件が、アブダビ島の東側に隣接するサディアット島の開発です。総事業費は3兆円超で、29のホテル、2つのゴルフ場、7,000のヴィラ、38,000のアパートなどが建設される予定です。
 
 さらに、中東一の商業・観光都市として先行するドバイとの差別化のため、文化地区としてフランスのルーブル美術館や米国のグッゲンハイム美術館の別館を誘致する計画もあります。
 
 05年に7つ星ホテルを開業し、09年からはF1グランプリを開催するなど、最近のアブダビはドバイに追い付け追い越せの様相を呈しています。ドバイのような都会になることは楽しみである反面、静かな落ち着いた雰囲気のアブダビがなくなりつつあるのは残念でもあり、複雑な心境です。

アブダビのダウンタウン アブダビのダウンタウン 「グランド・モスク」という建設中のモスク 「グランド・モスク」という建設中のモスク 日本の石油会社(「アブダビ石油」)の玄関の看板 日本の石油会社(「アブダビ石油」)の玄関の看板


丸紅グループ誌『M-SPIRIT』No.39(2007年5月発行)より

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